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MARGUERITE ~2008.8.20 マチネ~

MARGUERITE ~2008.8.20 マチネ~_c0089360_2240046.jpgほんの一部の方、お待たせいたしました。最後の舞台編です。すでに観てから1ヶ月以上経過しているので、あまり細かいことは覚えていませんので悪しからず。(というより、今回の観劇はそれほど大感激はしていなかったのです)

1本目は、『レミ』のコンビ、アラン・ブーブリルとクロード=ミッシェル・シェーンべルグがイギリスのベテラン演出家ジョナサン・ケントと組んだ作品「MARGUERITE」。原作は「椿姫」、設定を第二次世界大戦時のドイツ占領下のパリに移した、元歌手で高級娼婦マルグリット・40歳と、ピアニストの青年アルマン・23歳の悲哀物語(40歳と23歳のカップルもありうるのね!)。それにマルグリットのパトロンの冷血なドイツ軍将校オットーの3人がメインキャラクター。

観始めて、まず感じたのは「いかにもウエストエンドミュージカルだな~」ということ。軽いドタバタのコメディではなくて、重い暗いよく言えば重厚なミュージカル。あっこれは私にとっては褒め言葉です。大人のミュージカルという感じかな。あとでチラシを見たら「Everything a west end musical should be」とあって、私の感覚は正しかったなと。
セットはゴタゴタせず、すっきりとスタイリシュで洗練された印象。音楽もわりと耳に残るタイプが多く結構いいんじゃないかな~と個人的には思いました。
小説とはかなり設定が違っていて、アルマンは小説ではとってピュアな一途な青年というイメージでしたが、ミュージカルのほうは、ピアニスト・芸術家ということで、若さも手伝って、情熱的で感情がほとばしっている。歌いあげるタイプでPASSIONそのもの。勿論上手い!演ずるはジュリアン・オヴェンデン、一番目立っていたかも。今回観た中で一番印象に残った俳優です。
主役のマルグリット役のルーシー・ヘンシャル。私は彼女の舞台は「ミス・サイゴン」からかなり観てます。きれいに年を重ねてる女優さんですね(というほどの年ではないけど)相変わらず美しく歌が上手い。高級娼婦の気品をちゃんと出しているんです。

観る前に「ひたすら暗いミュージカルだよ」と聞いていたのですが、本当でした。戦時下で、ユダヤ人迫害とか、冷酷というよりパトロンの嫉妬の仕方が異常、そこまでやらなくても・・・と目を覆いたくなるようなシーンもあり。特に最後のマルグリットの死に方が、後味悪しなんです。「ミス・サイゴン」と同じく、その終わり方はないでしょう、というのが正直な感想。
ロンドン公演11月までの限定公演の予定は9月で打ち切りとなりました。あの内容じゃ仕方ないかな。

来年、日本公演がありますが、あのままやるのかな・・・と心配です。音楽も悪くないのだから、ストーリーをもう少し換えれば、良くなると思うのだけど。

by lovelysheep | 2008-10-05 23:19 | London08