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1/1 その1 ~Sweeney Todd~

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前日4時ごろまでパーティーをしていましたが、9時に起床。10時からの「Sweeney Todd」を観るためす。ジョニー・ディップのファンということではなく、ソンドハイムミュージカルの映画化ということで、一足先に見たかったことと、アメリカの映画館で日本と異なる雰囲気の中で映画を見たかったからです。(アメリカで映画を観るのは「Chicago」以来2本目)

Ziegfeld Theatreで鑑賞。この劇場ミュージカルの歴史を語る上では重要な劇場ですが、今は映画館となっています。前日にSさんから「予約いれていないの?混むのでは?」と脅されてビクビクでしたが、ガラガラ。キャパシティは1500人超で、20~30人しか観客がいませんでした。(それはある意味怖いのでは?と後日rさんに言われましたが)
だいたい1/1の朝10時から普通映画館で映画みないですよね?という訳で、アメリカ人観客に混じって一緒に盛り上がることはできませんでした。

私はソンドハム派よりはウェーバー派で、ソンドハイムに他のミュージカルファンの方ほど思い入れがなく、「Sweeney Todd」のミュージカルを見たのも昨年9月のSFでのドイルバージョンのみ。一応ストーリーは知っていて、ティム・バートンがこの作品をどういう映画に仕上げるのかを見るのが楽しみでした。舞台版と映画版の比較や、映画を批評するほど見ていないので私が感じたことです(的がずれているかも)。

予告編では、これがミュージカル映画とわからないほど(わざと?)ミュージカルの面影がなかったのですが、本編はミュージカルでした。ミュージカルというか、歌で綴られていました。でも、ミュージカル映画という感じがしなかった私。歌の印象がほとんど残らなかった。映画を見終わっても、サントラCDを欲しいと思わなかった。いわゆるミュージカルの感情の高まりを歌で表現するいう手をあまり使っていないのです。大部分は俳優による歌で綴られているにもかかわらずです。
もともと、ミュージカル俳優を起用しているわけでもなく、下手ではなくても、特質した声の持主でもない。ティム・バートンは、ミュージカル「Sweeney Todd」ではなく、題材が欲しかったのかもしれません。歌いあげることで感情を表現するのではなく、あくまでも演技で表現でした。唯一ミュージカルらしい歌い方をしていたのはトビー役のみ。ジョニー・ディップの演技、目の演技は流石!復讐に燃え殺人鬼となっていく姿を見事に(恐ろしく)演じています。

正直言って苦手なタイプの映画です。ストーリーを知っているので、怖くはなかったけれど、オープニングから意味が分ってしまうんです。血が飛び散らないドイルバージョンを観たあとでさえ、後味が悪かったのに、ブラッディで思わず目を覆いたくなくシーンや結構グロイシーンもあるこの映画、さらに後味悪いです。まあ、ブラックと血のレッドのコントラストがこの映画の特徴でもあるんですが。最後は復讐を果たしただけでなく・・・さらになので・・・舞台版はコメディ要素も多いようですが、こちらの映画は復讐がテーマですから。これは、3時間の舞台を2時間の映画にするために焦点を絞った(歌もカット)せいだそうです。

言葉ですか?全然問題なかったです。あっこれは英語が理解できたというわけではありません。だいたいジョーニー・ディップにしても、ヘレナ・ボヘム・カーターにしても、ボソボソ話すので何言ってるかわからないとこが多かったです。まあ、映画って音を消しても画像だけでストーリーはわかると言いますから。ドイルバージョンを観たときは、話が見えない部分があってイライラしましたが、こちらは言葉の壁は感じずすんなりと映画のなかに入っていけました。

言葉の問題もそうですが、映像って凄いな!と当たり前のことに感動していた私です。普段舞台中心に観ている人間の戯言です。映画ってクローズアップの世界なんですよね。舞台では役者も化けるし、ある程度ごまかしがききますが、映画は(偽物の)リアリティが出る。舞台はすべてを表現できない分観客の想像力が働く世界ですから。この映画のキャストを聞いたときに、今まで舞台で演じてきた俳優よりも若い俳優がキャスティングされているのにビックリでしたが、原作に近い年齢のキャスティングでした。(舞台だと40代でも10代を演じることもあるので)。一番驚いたのはアンソニーかな。若くてハンサムでもうビックリでした(笑)。そのリアリティがリアルすぎて、見ていられない部分も多かったのですけど。

この映画先日発表された「ゴールデングローブ賞」のコメディ・ミュージカル部門で作品賞、ジョーニー・ディップは最優秀男優賞を受賞しています。内容が内容だけに、万人には薦められませんが、ジョーニー・ディップの演技は観る価値ありだと思いました。

ちなみに、今新宿駅のJRから京王線に抜ける通路数メートルは両側ともこの映画のポスターです。
そうそう、上映前の予告編でこの夏公開の「MAMMA MIA」を流していました。こちらは予告だけでもミュージカルミュージカルしてました。

by lovelysheep | 2008-01-16 23:41 | NY年末年始0708